猫のホテル『けんか哀歌』

猫のホテル『けんか哀歌』
2008年5月1日(木)〜11日(日)
本多劇場
作・演出:千葉雅子
出演:中村まこと、森田ガンツ市川しんぺー、佐藤真弓、池田鉄洋、村上航、いけだしん、岩本靖輝、菅原永二、前田悟(アクションクラブ)

http://www.nekohote.com/

3日の、17時開演というハンパな時間のソワレを。千秋楽にも観に行きますがとりあえずざっと感じたことなど。










面白かった。けど、やっぱり消化不良感が残るんだよな猫ホテの芝居って… 脚本は好きだし役者の演技も見所が多いんだけど、途中で「長いな」って思って集中力が切れちゃう。あの内容で2時間超えはやっぱり長すぎると思うし、逆に2時間超えの舞台やるなら内容はもっと詰め込めたのでは。柳田(中村まこと)・花恵(佐藤真弓)・片倉(池田鉄洋)三人の愛憎の葛藤なんかはもっと時間割いて描いても良かった気がする。片倉が、映画を撮りたい一心でマルクス主義者主導の労働組合の篭城に参加して、たちまち持ち前のリーダーシップで委員長にまで上り詰めてしまうあたりもちょっと分かりづらいかも。すごく面白い話の流れだったんだけど勿体無いなー。
その片倉が、最後映画を撮るために自分を慕ってくれている同志を売って、一瞬後悔して取り乱すけど、最終的には新しい映画の企画書を渡されて「撮ります!」ときっぱりと言い切るラストシーンがたまらなく好きでした。「同志を裏切る」という罪を背負い込みながらも、一貫して「映画を撮りたい」という一念だけで行動していたという点で片倉という男は純粋で一途、という業の深さが面白い。こういう男の複雑さを演じさせたら、やっぱりイケテツは相当ハマる。

  • 女装まつりでしたねー…だいたい猫ホテは男優中心の劇団だから毎回誰かしら女装してる感じだけど、今回は菅原・村上・岩本・いけだ・市川と、メンバーの軽く半分女装してました。とりあえず菅原永二の美脚と村上航の腰の細さにびっくりだわよ。岩本さんのちょっとぽっちゃりした腰まわりがリアルに女っぽくて(それも昭和の女)良かったです。基本みんなオモシロ顔だけど、女装すると妙に可愛らしい。異常にオーバーリアクションな演技もわざとらしくてまた楽しい。菅原さんのパンパン娘(ちょっと不思議ちゃん)サイコウ。
  • 今回はメンバーそれぞれまんべんなく見せ場があって楽しかった。特に岩本さん演じる谷所長がすごく良かった。映画を愛する気持ちと撮影所のメンバーを守りたい気持ち、CIEの「民主化」指導の板ばさみになって、様々な決断をしなくてはならない立場のつらさがよく伝わってきて、今回一番感情移入しちゃったキャラクターでした。
  • 村上さん…キャラクター的にはいつもどおりな感じでしたが実年齢より上の役やらせるとほんと面白いなこの人。いちいち動きがヘンですが殺陣がやたらとサマになってて素敵だったん。運動能力の高さを窺わせる。いけしんはちょっと長井大とデジャヴ(笑) いや、キャラはぜんぜん違うんだけども。GIカットがほんとに似合ってませんでした。
  • 中村・森田・市川のスリートップは良すぎて何も言うことないです。今回千葉さんが出演してないのでほんとの紅一点だった佐藤さんも、ちょっと鼻持ちならないけど愛らしすぎて憎めないキャラが相変わらずの可愛らしさできゅんときた。かわいいなあ、まゆたん可愛いなあ!(←彼女の出演作観ると毎回同じ感想)