名古屋行ってきた。

金曜夜行バス→土曜夜行バスという強行スケジュールで名古屋まで行ってきました。テレピアホール20周年記念「SHOW 劇革命 FIRST GIG!」というものを観に。目的は表現・さわやか、そしてヨロ企と清水宏

■早朝到着→ネカフェ満席で入れず→デニーズで朝食→ネカフェ難民でしばし寒い名古屋の町を彷徨う→やっと入れたネカフェが快適すぎてあやうく芝居の時間までそこで過ごしそうになる→それはさすがにもったいなくて移動、愛知県美術館へ。

■というわけでこれを見てきた。

アンドリュー・ワイエス 創造への道程(みち)」展
2009年1月4日(日)−3月8日(日)
愛知県美術館
http://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/index.html

アンドリュー・ワイエスは、何年か前に青山ユニマット美術館で小規模な展覧会があったときに見ましたが、そのときは絵としてすごく好きではあったんだけどもうひとつピンとこない画家であり作風、という印象しかなかった。しかし今回はかなり良かった! 堪能! こう言ってはなんだけども展覧会企画者の力量の差を感じた。
特に今回はサブタイトルにも示されているように習作の展示が膨大に。ひとつの絵を完成させるために、何枚も何回もデッサンや下書きを重ね、そうやっていくうちに絵の構図やテーマが変わる(あるいは変わらない)様をみることができて、こういう形の展覧会は今まであまりお目にかかったことがなかったので興味深かったし面白かった。一見静物画であり風景画なんだけど、そこに込められた作家の記憶や記念、思いというのがするすると伝わってきて、切なくもちょっとあったかい、そんな作品たち。まるで絵本を読んでいるかのような、ドラマの感じられる絵画だった。彼の選ぶ情景というのが、7時47分に空を横切ったボーイング747の飛行機雲だったり彼の好きな友人たちのささやかな生活の一端だったり大水の後に有刺鉄線にからまる草だったり、かなり個人的で説明書きがないとなかなか真意を汲み取れないものばかりであるというところがまたマニアックでいい。(笑)
ワイエスの絵は教科書にも載ってるし(「クリスティーナの世界」とか有名)知らない作家ではなかったんだけど、今回再発見でした。

特別展で奈良美智の作品も展示されており、そこもじっくりと見る。彼の絵は見るたびきゅんとします。やっぱり素敵。

■その後は、芝居を観る前に腹ごしらえ、ということでテレピア内にあるコメダ珈琲店へ。コメダ珈琲店て名古屋中にあるんだね。
コロッケランチを注文したらキャベツの量がハンパなくておびえる。

奥に見えてるのは更紗さんのヒレカツランチ。同じく大量のキャベツ。コロッケは食べきったけどさすがにこのキャベツは半分ほどでギブしました。ごめんね農家の人。

オリジナルカップがかわいい。珈琲店なのに朝にコーヒーを飲んでたせいで胃がカフェインを拒絶し、ミルクとか頼んでしまった。コーヒー飲みたかったな。あと、最初に出された小袋のおつまみ的ナッツが何なのかわからなかったんですが、名古屋の喫茶店てお通し出るんだよねたしか! これか、これがそうなのか!!(意味なく興奮)

■「肉食動物は草を食べて肉を消化する…」と呪いのようにつぶやきながらキャベツをばりばりと食べて、明らかにもたれてしまった胃をさすりながらテレピアホールへ。なんか、「ザ・多目的ホール!」って感じであんまり演劇向けの舞台じゃないような気がしましたが、ともかくなんともテレビ的なOPの後、計6組のパフォーマンスを鑑賞。以下雑感。

  • ヨーロッパ企画:一番手はヨロ企。すっごい面白かった! 今回の6組の中じゃダントツで笑った。映像の小ネタをはさみつつ3本のショートコント。宇宙戦争ネタは前にしもきた空間リバティで観たことがあるやつでしたがこれほんと傑作だわ。あのナチュラルな会話と最後のオチが秀逸。センスいいなあ。このヨロ企がC-1で勝ち進めなかった理由がわからん。(C-1観てないから完全に独断および偏見で発言してますが)
  • カムカムミニキーナカムカムミニキーナ初見でした。松村さんの脚本(演出もだったかしら)の舞台は一回だけ観に行ったことがあって、そのときの印象が非常にうーんな感じだったのであまり期待はしてなかったんですが、面白かったです。テンション高い畳み掛けの会話とベタで不条理なギャグがマシンガンのように繰り出される感じ。面白かったし確かにすごく笑ったんだけど、でも私の好むタイプの笑いじゃないな… ちょっとクドすぎる(笑)
  • 清水宏:同じクドさでもこの人のクドさウザさ鬱陶しさは大好物です!! もう面白いとか面白くないとか超越して(いや面白いんだけど!)、この人があのテンションでステージに立ってるだけでもうおなかいっぱいです。いつものように手拍子から入って客をいじりたおして空気を完全に味方につけたところで映画予告編シリーズ4本立て。(ハリウッド版バイオレンスサザエさん・ハリウッド版ヒップホップ一休さん・名古屋版ミッションインポッシブル・名古屋版E.T) ああ映画予告編シリーズは何回見ても笑う。
  • 西田シャトナー演劇研究所:休憩挟んで4本目。ごめん面白さがさっぱりわかんなかった… 某演出家の「楽譜も読めないのにフリージャズは演奏しない」って言葉を思い出したよ。ちゃんとした軸があってのフリースタイルだぜ。厳しい言い方になるかも知れないけど、単なる実力不足としか思えませんでした。
  • 劇団あおきりみかん:2対2の合コン、相手との駆け引きと自分の心の葛藤を騎馬戦で表現するというネタ、というかアイディアは面白かったのに、アイディア倒れの感否めず… 勢いに任せすぎというか、もうちょい見せ方に工夫があってもよかったんじゃないかなーという感じで、面白かったんだけどひじょうに勿体無かったです。
  • 表現・さわやか:ネタは「ヤマザキ春のパン祭り」。大好きなネタではありますがちょっとうーん…残念な感じだったかな… さわやかってあんまりこういう単発でネタやるイベントって向かないユニットなのかもな。無表情にキレよく踊る坂本先輩ことイケテツはいつ見ても笑える。


最後、「関所のごとく出口にいますから! チラシ受け取らないと帰れませんよ!」という清水宏が出口でホントに手ずからチラシをお客さんに配ってて(笑)、それを受け取りつつ握手してもらいつつ「大好きです!」と告白してしまいましたえへ。他の好きな役者さんにだって面と向かってはこんなこと言ったことない。

■その後はひつまぶし。


おいしかったー!
一膳目はそのまま、二膳目は薬味を入れて、三膳目でお茶漬けに、と三段階で楽しむものですが、お茶漬けにするとほどよくはりりとした鰻がべっしょべしょに(当たり前だが)なっちゃっていまいち… 鰻だけでいいや…(ならばうな重を食べれ)

■二駅分歩いて名古屋駅まで。途中で会った巨大マネキン・ナナちゃん。ノーパン。

■その後はまたネカフェに転がり込んでバスの時間までうだうだと時間つぶしてましたが、そのとき読んだのがこれ。

よつばと! (1) (電撃コミックス)

よつばと! (1) (電撃コミックス)

よつばと! (2) (電撃コミックス)

よつばと! (2) (電撃コミックス)

よつばと!(3) (電撃コミックス)

よつばと!(3) (電撃コミックス)

よつばと! (4) (電撃コミックス (C102-4))

よつばと! (4) (電撃コミックス (C102-4))



いろんなとこから良い良いという評判だけは聞いてましたがほんとにもう面白くて可愛くて愛おしくて仕方ない。こんな名作を今までほっといたとは迂闊であった。みんなも読むといい。

■そんなこんなで帰ってきてから今日は一日中作業。いいかげん疲れて眠いのでそろそろ布団に入らせていただきます。まだ20時半にもなってませんけど。