夕方からごそごそと身支度して仏(ブツ)見てまいりました。上野の国立博物館にて開催中の『仏像 一木(いちぼく)にこめられた祈り』展。日曜の夕方なら空いているとの情報を受けて閉館40分前という時間に滑り込みましたが思った以上に混んでる! もっとすっかすかなのかと思ってた。皆熱心。
それにしても仏。面白い展覧会だったー。円空や木喰はあまり見たことなかったし仏の中では興味ある分野でもなかったんだけど、すっごく良かった。特に円空仏。なんだあのトーテムポールみたいな仏は! 愛らしいったらありゃしない。他にも大作から小品に至るまで、実に表情豊かな仏の数々。すごく楽しくなっちゃって、木喰仏見ながらにやーっと自然に笑ってしまった。笑ってからやべえこれじゃ怪しい人だと思って周囲をきょろきょろしたら、たくさんの人がにこにこしながら仏を見てた。なんか、芸術の持つ力ってすごい。にやにやしてても怪しくない。
そんで円空や木喰見ながら、数年前ならこういうものの良さや面白さがわからなかったかもな、と思った。年とともに和食を好むようになるように、仏の好みも年とともに移り変わるものなのかもしれない。トシ取ると素朴さが心に沁みるものなのか。
円空木喰じゃないけれど、薬師如来像と両脇侍像、私から見て右の像が左(つまり薬師如来の方)に傾いでいて、傾いてるなあと思ってたら左の像は右(つまり薬師如来の方)に傾いでいた。2体とも薬師如来に寄り添うように立っていて、それがたとえば少年隊三人のポージングみたいで笑った。笑ってからこれは完璧にみうらじゅん的仏観察眼だなと思った。まあそんだけの話なんですけど。それにしても仏像見るたびに思うけど、イタリアでルネサンスの芸術花開くより500年以上も前に東洋のちっさな島国にこれだけの芸術品が作られていたってことを、もっとみんな知っていい。*1
別室に仏製作によく使われる木材が触れるコーナーがあり、これがなかなか面白い。って私は能面なんか作ってるから面白いと思っただけなんですがね。木材によって硬さはもちろん重さも全然違う。クスノキで打った能面なんか重くて大変だろーなー、そもそも打つの大変だろーなーとか、そんなこと考えてました。40分で堪能しつくしたぜ。満足。

仏を堪能した後は家族と合流して鍋食べに。今月来月と両親の誕生日が続くもんで、まとめてお祝い。うーまかったー!! デザートまで平らげて両親も喜んでくれたようだし、何より。今週末も楽しく過ごした。やっほう。

*1:芸術の定義に関する話はめんどくさいからパスね