富士ロック『恋愛』

葛木英×板倉チヒロ=二人芝居企画 富士ロック 第一回公演『恋愛』
2007.8.10(金)〜12(日)
王子小劇場
出演:葛木英/板倉チヒロ
劇作家:池田鉄洋猫のホテル/表現・さわやか)/山中隆次朗(スロウライダー)/渡邊一功(リュカ.)/葛木英(メタリック農家)
http://fuji69.no-blog.jp/blog/

11日、昼公演。
うん、まあ、池田鉄洋脚本に2500円払ったと思えば…
池田脚本はすごく面白かった。しょっぱなのネタとして相応しい、テンション高いコント。マニアックなコネタ、暑苦しいフリ(「ちょっとルー大柴みたいだけど許してね!」とか爆笑)、居酒屋のトイレ前というシチュエーションなので、あんまし品はよろしくないあたりも含めてかなり笑わせていただきました。それでいて最後はちょっときゅうんとさせられたりするあたり、センスいいなあこの人、と思わせる作品。もっと技量のある役者がやればもっとずっと面白くなったろうになあ、という点で非常に勿体無い思いが。観ながら「さわやかメンバーの誰かでやればこんなもんじゃないのになー」とか考えてしまった。
もう一人、目当ての脚本提供者であったスロウライダーの山中さんの作品は、正直ちょっと期待はずれ。ストーリーに目新しさは感じなかったし、これ舞台作品としてやってもちょっと表現しづらいんでは…という感じのSFモノ。うーん、期待してただけに消化不良。
三本目の渡邊脚本は、「なんでわざわざ舞台でこんなメロドラマ観せられなきゃならんのじゃ」という感じ。舞台では舞台でしか表現できないものをやれ!というのが私の基本姿勢なので、「舞台でやる意味」が見出せないものには、どうしても感情移入はできません。四本目の葛木作品、人魚の男と同棲(同居)しているというシチュエーションにはじめ「おっ」と引き付けられたけど、オチに「えー、それやっちゃったらこのストーリーそのものに意味がなくね…?」と、がっかり。
全体的な印象では、笑いなしのショートストーリーを二人芝居でやるっていうのはちょっとハードル高かったんじゃないかしら、という感じです。