アーノルド『ミートボール』

アーノルド#8『ミートボール』
2007.8.8(水)〜12(日)
新宿THEATER/TOPS
作・演出:武沢宏
出演村上航 (猫のホテル)/市川訓睦/柿丸美智恵/猪岐英人/水野顕子/高橋周平/宇賀神明広/寺西麻利子/桔川友嘉
http://www.arnold-union.net/index.html

10日と11日の夜公演。
アーノルドは初見。村上さんと市川さんが出るというのでチケット取りました。
面白かった! ていうか、すごい好きでしたこの芝居。好み。登場人物たちを取り巻くじりじりとした不安感、それを見せる演出と、役者たちの演技に最初から最後まで目が離せなかった。武沢さんの作品は初めて観たわけですが、演出がシンプルで効果的で、ブラックな部分も真に迫ってきたり笑いの武器になっていたりですごく巧いな、と感じたり。
出演者が全員巧くて存在感が際立っていて、でもそれぞれが突出しすぎることもなく、そのバランスの良さにはびっくりしたほど。客演陣の他は、猪岐さんと水野さんがとにかく良かった。水野さん、いかにもな感じのバカ女で、たいていこういう役柄の女にはイラっとさせられたりするもんなんだけど、彼女の演じていた「ナオ」は、その気持ちの揺れがすごく伝わってきて切なくさせられた。
村上さんは、エキセントリックな役をやってるところは何回も観てますが、今回はその中でも最も気持ち悪い役だったなー。屈折したエリートで理屈っぽいオタク、外見も含めて(長髪三つ編、でっかいメガネにつんつるてんのズボン、足元はマジックテープのスニーカー、白靴下)その気持ち悪さが大全開!(褒めてます) 市川さんは、はじめわからなかったほど今まで私が観てきた役と雰囲気ガラっと違くて、ほんとに何でもできる人なんだな、と、その器用で幅広い演技力にますます惚れる。
や、とにかく面白かったです。がっつりと「観た!」という気にさせてくれる、質量の感じられる芝居でした。