MU『相思相愛確信犯』

MU『相思相愛確信犯』
2008.7.9〜13
下北沢駅前劇場
作・演出:ハセガワアユム
出演:村上航(猫のホテル)/葛木英(メタリック農家) /古市海見子(メタリック農家) /平間美貴/橋本恵一郎/杉木隆幸(play unit-fullfull) /浅倉洋介(風琴工房) /熊野善啓(チャリT企画) /細井里佳/田中涼子/小松君和/川本喬介(はらぺこペンギン) /岡安慶子(北京蝶々) /ハマカワフミエ(国道五十八号戦線) /田中あつこ(バジリコFバジオ) /足利彩/諌山幸治(ブラジル)

http://www.mu-web.net

9日と12日のソワレ。2回観に行ったのは完全に客演の村上航狙いです。










残念…というのが正直な感想ですかね… 「なんでこうなっちゃったん??」みたいな。
まともな恋ができない「恋愛病」を抱えた人たちが集まる「断恋道場」が舞台。3ヶ月のカリキュラムで、それぞれが抱えた「恋愛病」を克服する。この設定自体は変わっていて悪くなかったと思うんだけど、描かれているエピソードがいちいち散漫でリアリティを持って迫ってこない。群像劇のテイですが群像劇といえるほど個々のキャラクターも丁寧に描かれておらず、感情移入もしにくい感じ。それでも、道場の日常が描かれているうちはまだ、まあ、面白かったんだけど、物語が賭け事とそれに伴う不正、それをリークしようとするライターたち、やりすぎた取材の代償として起きる混乱…とヒートアップするに従い、観てる私のテンションはクールダウン。クライマックスのどたばたの纏まりのなさは「やけくそ?」と言いたくなるほど。2時間以上かけて群像劇描いて、結局何が言いたかったのかわからないままキャラクターが放り出されて終わってしまう感じ。下ネタ(って言えるのかもよくわかりませんけど)がけっこうあるけど、それも「こんなセリフも言わせちゃうんだぜ」的なあざとさが見えて白けてしまった。
作者は「コクーンにかけるつもりで」書いた芝居だそうですが、それ知って、松尾スズキ的な作品世界を目指してたのかなあ、と思いましたが。「断恋道場」という題材の面白さだけで勝負したら良かったのに…というのが私の印象。この物語のキィワードのひとつは「日本は病んでいる」ということだったみたいだけど、登場人物たちがあまりにもこのセリフを口にしすぎて薄っぺらくなってしまい、ぜんぜん伝わってこなかったよ…伝えたいことはそのまま言葉に載せるとリアリティを失うよ。ひじょうに勿体無かったです。

大勢居た役者陣(17人)も、申し訳ないけど、何人かを除いてまったくもって魅力を感じませんでした。村上さんがひとりずば抜けてたけど、まあさすがに貫禄が違いますて。

あと、駅前劇場でオーバー2時間の芝居は、客がしぬのでやっちゃいかんと思います。エコノミー症候群なるよ!