表現・さわやか『美少年オンザラン』

表現・さわやか第五回公演『美少年オンザラン』
2008.11.15〜30
下北沢駅前劇場
2008.12.11〜14
大阪HEPホール
作・演出:池田鉄洋
出演:佐藤真弓、いけだしん、村上航、岩本靖輝、菅原永二池田鉄洋佐藤貴史 伊藤明賢
http://h-sawayaka.com/2008_bishonen/bishonen01.html

15日の初日と、22日のマチソワを見終えて。
感想っつうか、この公演に対するラブコールだな…










面白かった! 全部が全部大絶賛ってわけじゃないけど、充分。満足。前回『ポエム』が、面白くはあったんだけどもうひとつノりきれなかったのに対し、今回は笑いの取り方がよりいっそうベタな感じで、何も考えずにゲラゲラ笑った。いいトシした大人たちが全力投球でくだらないことをしているのがほんとに愛おしいし、独立したコントでありながらそれぞれの登場人物が被っていたり後日談になっていたりとちょっとずつ繋がりを持っているという構成も私好みだ。全部見終えるとプロローグとエピローグがきれいに繋がって、イケテツの作演出はほんとに構成が上手いし、笑って笑って、ちょっとキュンとするラストとかも心憎い。そして私はほんとにこのユニットのメンバーのことが全員好きすぎる。他にも好きなユニットはあるけれど、表現・さわやかはなんかもう、メンバー見てるだけで愛おしくてニヤニヤしちゃう。今回は客演の二人もすごく良かった。伊藤明賢はいわずもがな、佐藤貴史は、『ポエム』のときはちょっと浮いてるなーと思ったりもしたんだけど、客演二回目の今回はしっくり。岩本さんとのコンビでいい感じのユルさを出してました。
それにしてもOP映像は毎回素晴らしいねさわやかは! 今回もみんなかっこよくてかわいくてきもちわるくてもう最高。
以下、コントのタイトルはテキトウ。



■プロローグ
しょてからまゆたんの可愛さにやられる。「やったあ!」って、もう、もう!


■プロムパーティー

  • サモアリ佐藤さんと岩本さんの掛け合いのぐだぐだな面白さは前回『ポエム』に引き続き健在。メンバーオール基本ボケのさわやかにあって岩本さんのツッコミはほんと貴重。上手いなー。ツッコむときの相手を憐れむような半笑いと、相手の話を聴いてるときのぱかーと口あけた顔のトボケぶり。
  • チアガール姿の村上・いけしん・イケテツ・菅原登場、会場の空気がドン退いたよ!
  • どうしたって明らかに他のメンバーとリズムの合ってないいけしん。
  • サムにテイクアウトされる菅原さん。つうか売れ残っていたのが不思議なくらいふつうに美人だ、菅原さんの女装。


東京モーターショー

  • さわやかコントには毎回必ず一本はあるダンスネタですが、ホンダの車名を連呼しながらおっさん6人が本気ダンス。ひどい。
  • どうしたって明らかに他のメンバーとリズムの合ってないいけしん。
  • 伊藤明賢は別格として、メンバーの中じゃやっぱりイケテツと村上さんのダンスが見ごたえあるなー。二人とも体のキレが素晴らしい。
  • 踊りきった後のさわやかな笑顔! バカ!(愛)


バットマン

  • 脇汗…(もうこれでいっぱいいっぱいです)


モンドセレクション

  • 「変態っぽい・気持ち悪い役をやらせたら小劇場界でもこの人の右に出る者はいないんじゃないか」と思わせる出色の気持ち悪さでした村上さん。ごちそうさまです。満腹です。
  • 後ろの席の子が「気持ち悪い〜!!」って言ってたよ。劇中にしゃべんな! 気持ちわかるけど!!
  • 村上さんの老人キャラはなんでこんなにハマるんだろう。「モーモー?」って、かわいいなこんちくしょう。
  • アロエを口から出したときはリアルに会場から悲鳴が。
  • 脇を固めるイケテツ執事と菅原・いけしん営業マンがまた素晴らしい。


■白州黒次郎

  • 長井大に代わる、いけしんピンネタ。正直、これはちょっとしんどい…いけしんは完全にピンでやるにはやっぱ限界が…
  • 長井大は常にツッコミ役があってのボケネタだったけど、これはツッコミ無しだから途中から飽きてしまいました。初日に観たときに、さすがにこれはもうちょっとやり方変えてくるだろうなーと思ってたら、さらに長くなってた(笑) ちくわを指にはめて飛ばす、とか、ネタの一個一個はツボにくるものも少なくないんだけど。
  • というわけで途中から菅原さんばっかり見てたんですが意外と細かく顔芝居してました。まゆたんの不安そうにいけしんを見つめる瞳も印象的。
  • 菅原さんの対応もわりと毎回自由。22日ソワレでは、サイン色紙におっぱい描いたいけしん長渕の額に思いっきり平手。衝撃で飛び散る汗。


■貧乏神

  • ノモヤン×ジェニファーの掛け合い。岩本さん天才。
  • これも毎回基本アドリブのフリートークらしくて初日に比べて22日はずいぶん話を引っ張りつつ。大阪弁の設定なのに一瞬標準語に戻ったイケテツに岩本さんが細かくツッコミ。イケテツ「何のこと…?」。
  • 「一緒に踊って!」とせがむジェニファー、くいくいした腰の動きが怖すぎる。
  • 貧乏神の村上さん。細くて白くて猫背。はまりすぎ。
  • 貧乏神の菅原さん。完全に休日のおとうさんスタイル。面白すぎ。
  • 「バカおまえバカ。リズムがいいですなあ」「恐ろしい空気をつくりますなあ」って菅原さんてほんとこういうセリフ言わせたら問答無用に面白いよね!


■ゴキブリ

  • うーん、これはいまいち面白さを見出せず。しかしゴキブリが死ぬほど苦手な筈のいけしんがこのネタやらされて、イケテツってひょっとしてすごいドS?
  • 明賢足なっげ!


■市川一家の休日

  • テンション一本押し! 笑いすぎて窒息寸前。
  • 菅原さん怖すぎ。「和室の和の字はどう書くの! こう書いてこう書いてこう書くの!」で見栄を切るバカバカしさ。
  • イケテツとうさんは女形なんだねー(ニヤニヤ)
  • セリフを噛んだ岩本さんに、貧乏神コントのときの仕返しか知らんけどイケテツが細かく揚げ足取り。噛んだことをスルーしようとする岩本さんにわざわざ「噛んだ…」と指摘。


■あかなめ

  • かわいーなーあかなめ!


■チラリン高校

  • 笑いすぎて死ぬかと思いました。展開としてはもう分かりきってんだけど。特に卓球女子2人のスマッシュの踏み込みが凄くてゲラゲラ。村上さんと岩本さんの無感情な無表情っぷりも可笑しい。
  • 「大阪LOVER」の替え歌。歌う明賢が無駄に美声。白のタキシードでえらい男前だし。
  • 何てことないキャラで何てことない自然な演技してるいけしんがけっこう好き。
  • モンドセレクション」の菅原営業マンがこのネタのふつうのエロじゃ満足しないサラリーマンと同一人物なんだね、22日に観て初めて気付いた。(ネクタイの柄が同じだった)
  • 最後、ぽかんと拍手してた菅原さんがなんともいえない表情で笑うのが素敵。


■エピローグ

  • 元社長のポン引きのおっちゃんと、恋破れてアメリカに帰ることにしたジェニファー。手作りの卒業証書、最後に踊る阿波踊り。きゅん。イケテツってすごく「女子」な部分を持った人だなあと毎回思う。
  • 佐藤まゆたんはついに今回女性役ナシだったね…
  • そして、第二次ぬらりひょんの変でダイダラボッチに妻を殺されたあかなめが貧乏神の助太刀を得て敵討ちの戦いを挑むという、予想外に、というか無駄に壮大なエンディング。プロローグで語られた惨事の原因が明らかに。構成上手いなあ。
  • 村上さん、最後刀(? 木刀ですらなく物指しみたく見えたけど)を構える姿のキマり具合、『けんか哀歌』時のアクション指導の賜物でしょか。それにしても今回は村上さんのキャラが多彩で、ファンとしてはウハウハなことこの上なし。

パンフとクリアファイル買いました。素晴らしく恥ずかしい仕上がりです。みんなかわいく(!)写ってるんだけど、岩本さん、顔立ちがああなので完全に「ねじりハチマキ」な雰囲気になってるのが笑える。
さわやかのパンフは毎回公演パンフといいながらも内容は完全に「ネタ」になってて(つまりはウソ記事ばっかり)、その公演についてのメンバーの声が聞けるとかそーゆーテイのものではないのだよね。それはそれで面白いからいいんだけど、やっぱりもっとパンフらしい内容のものが読みたいなーと毎回思う。ふと第3回公演『そこそこ黒の男』のパンフを見たら稽古場写真が載ってて、あああ私が見たいのはこういうのなんだよ! って思った。や、まあ、いいんですけどね、今回のパンフの内容もすごい酷くて面白いから。