『二死満塁の人々』

故林広志コントリミックス『二死満塁の人々』
2009年3月13日〜22日
三鷹芸術文化センター
脚本:故林広志
演出:福原充則
出演:犬飼若博/今立進エレキコミック)/菅原永二猫のホテル)/竹井亮介(親族代表)/富岡晃一郎/野口かおる/森谷ふみ (ニッポンの河川)
http://odakhyper.cool.ne.jp/daikorin/conte_Remix/Remix_01.html

本日21日は、これを観に三鷹へ行ってきました。











■だっつんと永二の天才っぷりを堪能できたってだけで三鷹くんだりまで出掛けた甲斐あったってもんです。いやホント凄いわこの2人…!
しかし逆に言えば、この2人がいなかったらキツかったと思いますこの舞台。2人の他にも役者はみんな上手くていい人が揃ってたとは思うんだけど、正直、もう故林作品には一切の新鮮味を感じることができない。ボケとツッコミのはっきりしているコントは鉄板で笑えるんだけど、優等生的(コントのテキストみたい…)に過ぎるし、既視感があるというか、なんか型にはまったワンパターンに思えてしまう。今回は新作旧作取り混ぜての構成だったらしいけど、それにしたって「原発警備隊」はこれ完全に親族代表の「優柔不断救助隊」の焼き直しだよね…? とか、総じてそんな感じ。途中ダレちゃったりしながらも13本ものショートコントを2時間弱観ていられたのは、ほんと役者が魅力的(全員が全員ってわけじゃないけど!)だったからだと思います。

■一番笑ったのは最後の「満塁サヨナラ」。これはテイストは確かに故林コントなんだけど、役者のアドリブに相当委ねたことで、そしてツッコミ役がだっつんだったことで爆発的に面白いネタになってました。だっつんのツッコミはほんと神業だねあれは! 本人マドロスさんの格好して完全に出オチでこの時点でゲラゲラ笑ってたんだけど、6人もの自由な役者たちの自由な振る舞いを拾う拾う。特に野口かおる(自由人ナンバーワン)がちょっと高くなってるとこにちょこんと正座したときの「高座に上るな!」と「ハウス!」、菅原永二ハケようとしたときに即座に引き止めたところは珠玉のツッコミでした。「ボケとツッコミは信頼関係」ってよく言うけど(よく言う?)、このネタはみんなのだっつんのツッコミに対する信頼があったからこそ成立したんだなあと思うといやほんとにだっつんゴイス。前々から凄い人だと思ってたけど惚れ直したよ。

■菅原さんホント上手いなーこの人… 秀麗な顔立ちと間の抜けた顔立ちの間を行ったりきたり。なんかもう出てくるだけで面白い。「原発警備隊」で竹井さんと二人羽織的にイソジンうがい薬の歌をヤル気なさそうに歌うとことか、「衛星中継」に至っては全編に渡って最高でした。って今コントのタイトル一覧見てて思ったんだけど意外と菅原さん出てなくね…? 勿体無い…

■福原さんはやっぱり空間の使い方上手いな。間の抜けがちな星のホールを、縦の柱を入れることと舞台を階段状にしたことで、今回もスカスカさせずにうまいこと生かしてました。


あと、福原さんのあいさつ文が見ようによってはけっこうざっくりズバリと辛辣です。ギリギリの演出、ギリギリのあいさつ文だったのかなー、などと思いつつ。余計な世話か。