庭劇団ペニノ『苛々する大人の絵本』

庭劇団ペニノ17回公演『苛々する大人の絵本』(再演)
2009年4月8日(水)〜20日(月)
はこぶね
作・演出:タニノクロウ
出演:山田伊久磨・島田桃依・瀬口タエコ
http://www.niwagekidan.org/next.html

18日の土曜日、行ってきました。
初演のときにもうこれが最初で最後…と思っていたはこぶねにもう一度来られたよ! なんか不況のアオリでマンションの取り壊し計画がストップしたらしい(タニノクロウのあいさつ文より)。この『苛々する大人の絵本』は「はこぶね」あっての作品だという気がするので、再演と聞いたときには何はなくとも行かなきゃ、と思ったんでした。
ほんとに贅沢な作品で(っていうのはもちろんお金がかかってるっていう意味ではない)、観ながらわくわくが止まらなくて、頭の中がひたすらわしゃわしゃする。演劇ってほんと面白いなー。贅沢だなー。










初演も観てるのでどうしても初演を思い出しつつの鑑賞になっちゃって、比べるつもりはないんだけど「あ、ここ初演と変わってる」「あれ、こんなシーンあったっけ? それとも私が忘れてるだけ?」とかいろいろ思ってしまって、そういう思考が邪魔でした。ってこれは完全に自分の問題なんだけど。「まっさらな頭で観たかった」と思わせるくらい、とにかく何にも邪魔されたくなくどっぷりと浸かっていたいと思わせる素敵な作品だったってことです。もちろん初演も観たことを後悔してるってことでもありません。とにかくとにかく、何者にもあの世界に侵入してほしくない、って思ったんです。それだけです。ほんとに贅沢な空間だったから。

初演よりも笑いどころが増えてる気がした。それだけとっつきやすい仕上がりになってたかも。豚と羊(島田桃依と瀬口タエコ)の、のほほんびりした愛らしいテンポと、受験生(山田伊久磨)のキリキリしたテンポの緩急が心地良い。それにしても伊久磨さん面白いな!「パイ・オニア」に思いがけず爆笑。(ああもうこの可笑しさは文章じゃ伝わらん…!)

そういえば初演のときも、壁に映える影までもが美しいって感動したなあ、と思い出したりもしました。タイトルどおりの、大人の童話。