水都大阪2009・アート船プログラム

旅先からちょくちょくと更新してましたが、20〜22日と二泊三日の大阪行。目的は「水都大阪2009」。

水都大阪2009テーマ:川と生きる都市・大阪
水の都大阪のシンボル「水の回廊」
大阪の中心部に川でできたカタカナの「ロ」の字があることをご存知ですか?
大阪市の中心部に位置する、堂島川土佐堀川・木津川・道頓堀川東横堀川がロの字型の回廊を作っています。このような水の回廊が都心にあるのは、世界的にも珍しいと言われています。
現在大阪では、その回廊を中心として水辺を生かした整備や賑わいづくりが進められています。
そんな水の都・大阪の復興を広く伝えるためにシンボルイベントとして開催されるのが「水都大阪2009」です。
生命の源である水・人間活動の場としての川をいま一度見直し、美しい「水の都」大阪の復興を広く伝えるプロジェクトです。

http://www.suito-osaka2009.jp/

…というより、むしろ

会場のあちこちに展示されているヤノベ作品を観てまわって「トらやんの大冒険スタンプラリー」をコンプリートして、そしてアート船プログラムで「ラッキードラゴン」といっしょに大阪の街をクルージングするのだ!!

というのが目的でした。
長いので畳みます。
■一日目(9/20)

大阪着いて早速ヤノベ作品をいくつか見て回った後は、大いに道に迷いつつ(地図が分かりづらい上に案内板も出ていない!)名村造船所跡地へ。ここで「ウルトラ―黒い太陽」を体験した後に船に乗ってクルージングに出発するスケジュール。この日のスペシャルゲストは明和電機代表取締役社長・土佐信道
まずは係留されているヤノベケンジの最新作「ラッキードラゴン」のおひろめ&パフォーマンス。社長のオタマトーンの演奏(?)に合わせて、首をもたげるラッキードラゴン。ちょうかっこいい…! この時点でもう大興奮。
そして

ファイヤー!
アンド

放水!!
うわーんかっこいいよラッキードラゴンちょうかっこいいよ!!(だいこうふん)
ひとしきりパフォーマンスを終えた頃、遅れて来た陶子さんと合流、場所を移して今度は「ウルトラ」のパフォーマンス。愛知に続いて二度目の体験でしたが

やっぱりでかい。迫力。ちなみに奥に見えてる水色はもちろん社長です。
そして起動するときのブィィィィン…て音がハンパなく怖い。周囲が暗いと火花がもっと綺麗に見えるんだけどね。でもその代わり、愛知のときよりも近くで観られました。「1メートルまで近づいて大丈夫です。中には入らないでください、即死します。あとは自己責任で」とヤノベさん。

その後いよいよ船に乗り込み、出航。出航してしばらくは工場地帯を進む。廃墟っぽい(廃墟じゃないけど)工業地帯を背景に疾走するラッキードラゴンがこれまた美しい。「かっこええなあ!」と自作に惜しみなく愛を注ぐヤノベさん。

ここでもまたファイヤー&放水のパフォーマンス。ファイヤーパフォーマンスはさすがにいつでもどこでもできるわけではないので、このエリアで炎は見納め。

かっこいいとしか言葉が出てきません。

その後はヤノベさんや社長のトークを聴きつつ、ラッキードラゴンに先導されたり追われたりしながら大阪の名所めぐり。

大阪ドームとラッキードラゴン。

道頓堀でラッキードラゴン。

威嚇。

そして放水。
さすがに人がわんさと集まってくる。そりゃこんな船が急に現れたら人集まるよね… その人ごみに向かって「作者でーす!」と叫ぶヤノベさん。楽しそう。ていうか完全に息子自慢の父親の顔だ。

そんな航行中、空いた時間で社長はボイスビブラータ、サバオ、オタマトーンで軽くパフォーマンス披露。社長のオタマトーンの腕前がどんどん上がってる(笑) 私たちが乗ったのはB便(復路。名村造船所跡地→中之島コース)でしたが、A便(往路。中之島名村造船所跡地コース)ではヤノベさんの実父はじめ親戚一同が乗り込んでて大賑わいだったらしく。「土佐くんが振らんでいいのにオヤジに話を振るから…」とかヤノベさんボヤいてました。なんだかんだ言って楽しそうだったけど。
そして、仮面ライダーやバルタン星人コスプレ写真などレア写真を含むヤノベさんの自分史解説。サヴァイバルからトらやんの誕生を通じてリヴァイバルへ、そして第五福竜丸との出会いから、トらやんがラッキードラゴンという船に乗ってまた新たな冒険へ…と、ヤノベケンジの世界はずっとずっと、過去から未来へと繋がっていく。この人の作品が常に人を惹きつけるのは、偶然の出会いが必然になり、どんどん新しい作品と物語と未来が生まれていく、というわくわく感なんだろうな。

大川まで出て最後の放水パフォーマンス、そして夕暮れの中、首と羽を折りたたんで帰っていくラッキードラゴンを見送りながら、この日のクルージングはおしまい。
そして船を下りる前に、プロデューサーさんをつかまえて「明日のクルージングの予約ってまだ間に合いますか!!」と訊ねるウチら。だってちょう楽しかったんだ!


■二日目(9/21)

大阪出発のわりと直前に「21日のクルージングスペシャルゲストはおかけんた」と発表されたのを聞き、「ええええおかさん…!!? シャチョよりむしろこっちのほうが見たかっ(ry」と言っていたんですが、20日のクルージングが終了するやすぐに予約を入れ、「当日の受付でのお金のやり取りができないので当日の乗船時間までに金額を振り込んでいただいてその控えを持ってきて下さい」というめんどくささにちょっと挫けそうになりつつも、前日と同じ3名で二度目のクルージング。この日もB便なので名村造船所跡地から出発。ラッキードラゴン(おかけんたが略して「ラキドラちゃん」と呼んでたので以下ラキドラちゃんと呼ぶことにします)とウルトラのパフォーマンス、という前日と同じメニューでしたが、ウルトラ起動時の起動音の恐ろしさに三歳くらいのお子さんがびゃーっと泣き出しちゃって、おかけんたがダックのモノマネであやして見事泣き止ませたのを見ておかさんにますます惚れました。惚れたっていえばこの日のおかさんはTシャツ・パンツ・スニーカーに至るまで白づくめという難易度の高いファッションを着こなしてイヤミなし。素敵すぎる。ファンになっちゃうよーおかさんの漫才聞きに花月行きたいよー。

クルージング出発。昨日と同じコースなんですが、どうやらこの日の船長さんは相当な腕自慢らしく、疾走するラキドラちゃんを後ろから追い越しさらに前にぐわっと回り込む、というテクニックを披露。すーげー!!

近い! ラキドラちゃん近い! そして炎がリアルにあつい!!(危)
ところでラキドラちゃんの動きが前日に比べて格段に「生き物」っぽくなってました。操縦してるスタッフさんが腕前上げたんだろうけど、首を伸ばし口を開け小首をかしげこちらを見る、その動きが滑らかでほんとに生きているようだった。おかさんが「のどを撫でてゴロゴロしたい」って言ってたけど、ほんとそうやって可愛がってあげたいくらい「生き物」。ああ可愛い、かわいいよラキドラちゃん…! 撫でさせて!!
それにしてもおかけんたの休みないマシンガントークはほんと素晴らしかったよ。さすが芸人、というよりもさすがおかけんた。しゃべりの上手さと旺盛なサービス精神、そして客を飽きさせない濃やかな気配り。「めっちゃえぇ声〜♪」で歌もちょっと歌ってくれたし! ホストのヤノベさんからしてずーっと爆笑してました。私も笑いすぎて下船したとき顔の筋肉痛くなってた。大阪観光案内はヌカリなく、時折吉本の裏話も交えつつ、ラキドラちゃんのパフォーマンスの間は実況中継、沿道に集まったギャラリーに向かって「おっちゃん怖いやろ〜!」と凄んでみせたり。自分の携帯で写真撮りつつマイクは決して離さずしゃべることは忘れないプロ魂。かっこええわー。
そんなこんなで爆笑しながらのクルージング、最後大川まで出て、昨日もいたんですがダックちゃんとラキドラちゃんの邂逅。


背後からダックちゃんに詰め寄るラキドラちゃん。

メンチ切りあう両者。

ラキドラちゃん、放水で攻撃。

動じないダックちゃん。強い子!

何度も放水パフォーマンスをした後、昨日と同じく首を下げ羽を折りたたんで夕暮れの中帰っていくラキドラちゃん、おかさんが「手を振ってお別れしましょう!」って言ったら乗船してたお客さんがみんな素直に手を振ってて、ああなんていい光景なんだとちょっと感動しちゃいました。

名残り惜しみつつでも大満足して下船。後から降りたヤノベさんが船に乗せてたトらやんを自ら運んでたんだけど、まるで息子を抱っこするように抱きかかえていたのを見てきゅうんとした。ラッキードラゴンをしきりに「かっこええ」と言っていたことといい、この人はほんとに自分の作品に身内のような愛を持ってる人なのだな。だからこそヤノベ作品にはいつもきゅんきゅんするんだな。

ますますヤノベケンジと彼の作品が好きになった2日間でした。ああ堪能した。しあわせ。


※ちなみにダックちゃんはれっきとしたアート作品です。オランダ人アーティストF・ホフマンの「フローティングダック」。高さ9.5m・幅9.5m・長さ11m、だそうです。でか! でもちょうかわいい!!

ここには9/27までしかいないんですって。観たい人は大阪天満橋までいそげ!