『蛮幽鬼』

Inouekabuki-Shochiku-mix『蛮幽鬼
東京公演:2009.9.30(水)〜10.27(火)
新橋演舞場
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:上川隆也稲森いずみ早乙女太一橋本じゅん/高田聖子/粟根まこと山内圭哉/山本亨/千葉哲也堺雅人 ほか
http://www.vi-shinkansen.co.jp/

三階席だったんですが、休憩時間、遠いとか花道が見えないとかそんな不満を口にした男性に対して、連れの女の子が明るい口調で「ちゃんと観たい人はねえ、高いお金払ってS席を買うんだよ!」って言ってて、いいぞ言ったれ言ったれ! って思いました。
二階席三階席で身を乗り出して鑑賞するのはマナー違反です。よ。
ま、それはともかく。ゲキシネではだいぶ観てますが、初・生・新感線。以下メモ程度の簡単な所感。










■良かったです。面白かった! ドロドロと暗い話が大好物なんで、ゲキシネで一番面白いと思った「朧」に次ぐくらい好きでした。

■けど、正直言って、新感線はゲキシネで充分かなあ…って思った。「アオドクロ」「アカドクロ」「朧」「五右衛門ロック」って観てきて、今回、ああ、この感じいつもと同じ…って思っちゃった。まあ、私の受け取り方の問題だと思いますが。だから、よほど生で観たい役者が出てるとかじゃないかぎりはいいかな、と。

■って、今回の鑑賞目的のひとつは堺雅人だったんだけども。

■堺さん良かった! 良かったし殺陣もキマってたしキャラクターも好きだったんだけど、なんだろう、役割の大きさのわりに存在感地味じゃなかった…? なんかもうひとつ…華がないというか。

■ストーリーは単純といえば単純な復讐譚。土門(上川隆也)や美古都(稲森いずみ)、そしてサジ(堺雅人)の、運命に翻弄される様がやるせない。

早乙女太一の殺陣が美しすぎて目が釘付けでした。やっぱ基礎が違うんだろうなあ。クルクル回るたびに青い着物の裾がはたはたとはためいて美しいことといったら。セリフもはっきりとしていて聴きやすかったし。今後、舞台・映像に関わらず、時代劇で活躍していくんじゃないかな、この子。

■道活(橋本じゅん)・空麿(粟根まこと)・浮名(山内圭哉)の小物悪党っぷりが楽しい。粟根さんの裏切りぶりの良さとかほんといいわー、楽しいわー。

■しかし山内さんていつもキャラクターが似たり寄ったりじゃない…? そんなに彼の出演作たくさん観てるわけじゃないからアレですけど… いや、好きなんですけど。ね。

■衣裳きれいだったー。小峰リリーの舞台衣裳はいつも「おぉ…」と溜息が出る。柔らかい雰囲気のものとかっちりとした雰囲気のものと。今回は斬新なんだけど時代物の衣裳として奇抜すぎない、そのバランスがすごく良かった。土門の、風をはらんでふわあっと膨らむ真っ白な裾とか、ほんとに柔らかそうで美しい。

■今回は舞台装置など含めてものすごく派手なところや過剰に笑いを取るところはないんだけど、だからといって物足りないわけではなく、それだけに純粋に楽しんだ気がします。


あ、休憩中に食べた演舞場の小倉アイス美味しかったです。