KAKUTA『甘い丘』

KAKUTA20回公演『甘い丘』
2009.10.30〜11.8
シアタートラム
作・演出:桑原裕子
出演:椿真由美(青年座)/成清正紀/若狭勝也/原扶貴子/佐藤滋/高山奈央子/大枝佳織/野澤爽子/横山真二/馬場恒行/桑原裕子/村上航(猫のホテル)/三谷智子(文月堂)/高島雅羅

http://www.kakuta.tv/

初日と2日目を観てきました。2日目には会社の同僚二人を連れて行ったんだけど、二人とも「もう一回観てもいいかも…」といたく感激してくれた模様。私も満足。やっぱ面白かったな〜。この作品大好き。
なんでこの物語にこんなに共感できるかというと、ここに登場する女性たちは、全員私でもあるから。
いくつかねえ、ほんとにはっとするセリフやシーンがあるんだよねえ。「ここにはっとさせられるってことは、私もやっぱりまぎれもなく女なんだなあ」と思う。登場人物たちが直面する様々な場面、そういう場面に実際に遭遇したら、私が彼女たちと同じ行動を取るか、それはわからない。でも最終的にどんな結論に至りどんな決心をし、どんな行動を取るにせよ、同じように逡巡し同じような思考を辿るんではないだろうか…と思わせる、そういう説得力をこの作品は持っている。少なくとも私に対しては。女性であれば多かれ少なかれ共感できる部分のある作品じゃないかなあと思う。男性はこの作品にどういう感想持つのかしら。
以下、簡単にメモ。なんだかんだで結局あと2回観に行くことになったので(!)、また後日改めて書くかも。書かないかも。










■今回再演だったわけですが、脚本・演出・役の解釈等、初演とほとんど変わってない印象。でも全体の流れの一体感は上がってたかも。ひとつひとつのエピソードの纏まりと、エピソードからエピソードへの流れがスムーズに感じた。より物語にどっぷり漬かれた感じ。ざっくりとした印象に過ぎないんですが。
■舞台セットが良かった! ていうか初演時の舞台セットがなんか不自然でいまいちだったのです、私的に。よりリアルで、物語の要求に応えるセットになってたと思います。その点も、全体的な印象を纏まったものに感じさせたのかも。
■一つの画面でふたつのシーンが同時進行して、そのどちらも重要なシーンで…っていう場面が何回かあるんだけど、同時進行していながら肝心なセリフや動きはきっちり逃させないあたりの構成とか上手い。特に冒頭の、面接してる横でトンビとシュロが大ゲンカしてるとことか、ものすごくシーンが混乱してる上にものすごい情報量を一気に放出してるのに、観ててぜんぜん「え? え?」ってならないし。
■トンビとシュロのバカップルはいちゃいちゃ度が増していた感。公演前、「シュロを(初演のときより)もっと愛す」と言っていた村上航のDVっぷりも迫力。桑原さんの体がもつかしんぱいです。
■つーかシュロかわいいなあ…
■冬の場面がもう、ものすごく好き。登場人物みんなにいろんなことが起きる、雪降る寒い一夜。所長とみねちゃんとさわくんの秘密も、パパと桂の友情も、トンビの絶望とシュロの哀しみも、かの子さんと虎杖さんのささやかで艶めかしいワンシーンも、なんだかすべてが愛おしいよ。
■トンビがこたつから(何故か半裸で)飛び出してくるところ、初日に「スペアリブです」みたいなこと言ってて村上さんの体つきがほんとにスペアリブみたいだから思わずごふーと吹き出しちゃったんだけど、2日目にはそのセリフがなかったんでこれはアドリブだったんだろか。
■アドリブってことでいえば今ちょっと思い出せないんだけど、トンビの俳句が初日と2日目でたぶん違ってた。これ毎回村上さんに任されてんのかなー。だとしたら大変!


あ、余談になりますがチケット先行予約特典でいただいた「おまけCD」がなかなかに完成度高くて素晴らしかったです。きっちり構成してるからぐだぐだにならずに面白く聴けました。「ヨイトマ稽古便り」の最後に歌われる歌、完全にKAKUTAファン向けの内輪ネタになってますが(っていうかまあこのCD自体がそういう構成ですけど)ちょう楽しい。こういうの、他のとこでも作ればいいのになー。
…って今KAKUTAのサイト見て気付いたんだけど3日って終演後に雪山素子*1トークショーがあるの!?? うわー観たかった…!!

*1:KAKUTA伝説の稽古場レポーター