『殺める人々』

アヴァンセプロデュース『殺める人々』
2009.12.22〜2009.12.27
シアター711
作・演出:坂上忍
出演:村上航(猫のホテル)/児玉貴志(THE SHAMPOO HAT) /永島知洋/今藤洋子/番場祐海(Onionslice) /美緒

申し訳ないけど興味持てない芝居でした。
でも「良かった」という声もいくつか聞いたんで、まあ、好みの問題なんでしょう。私には合いませんでした。
というわけで以下は自己責任でお願いします。
■殺された者・殺した者・遺された者が、時と場所を隔てた二つの殺人事件を通して関わりあっていく物語ですが、ストーリーに無理があってリアリティに欠けた。
といっても、演劇にストーリーの整合性という意味でのリアリティはハナから求めてないんで、別に無理があったって全然構わないんですが、そこから引き出される人物像や人間関係が薄っぺらくてこっちの感情が乗り切らず、そのせいで物語の不自然さが際立って目についてしまった感じ。

■暗転・場転およびSEや音楽の多用という演出手法がどうにもテレビっぽくて違和感があったのも感情がノれなかった理由の一つ。しかも80年代トレンディードラマ風な「オサレ」な音楽やシーンが多かったんでちょっと気恥ずかしくてもぞもぞしちゃったり。SEが台詞に被って聞き取りづらいシーンがあったのもストレス。

■あと、アドリブっぽく笑いを取るシーンがあったんだけど、笑いはこの芝居にはいらなかったんじゃないかと思うんだがどうだろう。
それぞれに過去や秘密を抱えた男女が集まってお互いに探りを入れながらじりじりと核心に迫っていく心理劇(を目指してたんだと思うけど。作者的には)だったら、全編息詰まるほどのマジ芝居で通した方が物語の中核がぼやけなかったんじゃないかと。わっと賑やかしのように笑いを取った後、間髪入れずに村上さん演じる探偵がキリキリと台詞発してもどうにも突然すぎて違和感。ダンスシーンも…まあいらなかったよね…

■台詞のミスが初日・楽日とも結構多かったんですがこれはもう全員に言えることで。千秋楽でもミスが多いってことは、もう根本的に台詞まわしが難しいというか不自然だったからだと思うんですがどうでしょう。役者のスキルがなんだか活かされてないように感じた。みんなもっと上手い役者の筈…だよ…? 特に児玉さん。

■キャラクター設定はそれぞれ面白かったんだけど、一部物語に沿ってないように感じた。今藤さん演じるミワコは、あんな素っ頓狂なキャラじゃない方が面白かった気がするなー。



好みの問題ですかね。今年最後の観劇が好みに合わず、個人的には非常に残念でした。
あ、あと、ひとつ小言。
スタッフの対応が若干…いやかなり…酷かった。
自由席なのに案内の手際が悪すぎるし、関係者ばっかり気にかけて一般のお客さんが置き去りにされているように感じた。こういう公演なんで関係者が大切なのはわかるけど、一般のお客さんを大切に出来ないっていうのはやっぱりカンパニーとしてどうかと。
いじょ。