フィフス・エレメント(その人に影響を与え、価値観を構成する要素となった5つの表現)

空中キャンプさんで取り上げていたのが面白かったので(http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20101018#p1)、私の「フィフス・エレメント」は何かとちょっと考えてみました。

が。
思ったほどスラスラと5つ浮かばない…特に「影響を受けやすい中学・高校時代のエレメントほど可」っていう追加ルールを意識すると、思春期の私はいったい何を楽しみにして過ごしてたんだろかというくらい思いつくものがナイ。私の青春は大学デビュー、あるいは社会人デビューであったかもしらん。そもそもテレビ見ない・音楽聴かない・雑誌読まない*1ので持ち駒が極端に少ない。私の生活を変えたって意味でブログおよびツイッターってのも考えたんだけど、ちょっと趣旨にそぐわない気がしたのでそれは除外。
ま、とにかく5つ。

1.『名探偵ホームズ』
2.『銀河英雄伝説
3.ラーメンズ
4.『男たちの挽歌
5.『宇宙家族カールビンソン

以下、長いので畳みます。
1.『名探偵ホームズ』
テレビアニメです。1〜6話まで宮崎駿が監督してた、何故か登場人物が犬の、原作者に「アーサー・コナン・ドイル」をクレジットしちゃって大丈夫なのかと心配になるくらい原作とかけ離れたアレです。偶然、しばらくまえに友人と「子どものころに好きだったアニメ」の話をしたんだけど、そのときにこの名前を出したらびっくりされた。たしかに、そういう場でスルっと名前が出てくるほどメジャーな作品ではないかも。
素直に原作の方を推してもよかったんだけど、「影響を受けた」という点では明らかにこのアニメ。リアルタイムで見てたのは小学生の頃。好きで好きでたまらなかった記憶がある。私の中に明確な「ヒーロー」像を作り上げた点で、このアニメの影響は大きかった。いまだに、私にとって理想のヒーロー像は、すらっとハンサムでクールかつお茶目で、頭脳明晰だけどそれを誇示しない行動的で広川太一郎の声を持った犬なんです。*2
MXTVで放送してるのをわざわざ録画して見てる。ナツカシス。いつも、モリアーティー一味の悪巧み→ホームズ出動→レストレード警部を交えての大追跡→ホームズがモリアーティーを出し抜いて事件解決、って見事なドタバタ黄金パターンで、ソフトなルパン三世、みたいな感じのするアニメですね。今見てもやっぱり犬のホームズは惚れ惚れするほどかっこいい。


2.『銀河英雄伝説
田中芳樹の長編「歴史」小説。おそらく私が初めて出会った歴史小説だった。たしか吉川英治三国志』より先にこっち読んでた筈。ハマってた時分にはあの膨大な登場人物の名前を一人ひとりちゃんと覚えてたもんだよ… 「尊敬する人物は?」の問いには迷わず「ヤン・ウェンリー提督」を挙げる用意のある私です。
この小説に出会ってなければおそらく、文学部史学科なんていう門戸が狭い上に就職活動に著しく不利な「役に立たない」学部に進んで、その中でも特にマニアぞろいだった東洋史なんぞ専攻しなかったろうと思うと、この小説には感謝してもしきれない。道を誤りました。ありがとう銀英伝


3.ラーメンズ
もうこれは挙げざるを得ない。私の演劇遍歴はこの2人組から始まったのだ。演劇はそれまでも観ていたけど、暗転した舞台を見つめるワクワクとした高揚感を知ったのはラーメンズの舞台でした。


4.『男たちの挽歌
いまだにバイオレンスアクション映画を観ると、この映画を基準にしてかっこよさの裁定をしてしまう。アクションもさることながらホー兄ちゃんには観るたび泣かされる。現在私が「ロドリゲスの『マチェーテ』!?? ぎゃー!!」とか騒いでいるのは、香港ノワールの金字塔と言われるこの映画が好きな延長線上にあると思います。
犬のホームズの次に私の「カッコよさ」の基準となった男、それがホー兄ちゃんことティ・ロン。(チョウ・ユンファじゃないのだ!)(ちなみに私は世界中で一番レスリー・チャンという俳優が好きですがこの映画に限っては彼が一番でもないのだ!)


5.『宇宙家族カールビンソン
子どもの頃に読んだ漫画で一番好きで覚えてるのはこれなんだけど、これもすなわち私の「カッコよさ」に対する憧れかもしれない。普段「宿六*3」と呼ばれるおとうさんが、娘のコロナちゃんのことになると無敵の強さを発揮する、そんなあたりにそこはかとなく憧れがあった。そしてこの「擬似家族」っていうもののあったかさと切なさが、理想の家族のひとつのパターンとして忘れがたい。結婚したら夫のことを「うちの宿六が…」とかって愚痴ってみたい、って憧れたなーそういえば。(それこそろくでもない憧れ)


なんかへんな取り合わせですが、アニメ・小説・舞台・映画・漫画、って、思いがけずバランス良い感じになったといえばまあそうかも。こうやって書き出してみてわかったことは、私は何か猛烈に憧れ、強く崇拝したがる、求めたがる傾向にあるのかも知れない、ってことでしょうか。憧れは、引っくり返せば変身願望。自分を高みに引き上げてくれるような、そんな出会いを常に探していたのかも。
ほほー。

*1:この3つのことにそこそこ興味を持ち始めたのはここ数年のこと

*2:もちろんコカインを打ったりしません

*3:宿のろくでなし。妻が夫を卑しめて使う言葉。親愛の情の表現となることも。