夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/09/29
- メディア: ペーパーバック
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私は初期の頃の村上作品のファンで(『ねじまき鳥クロニクル』からちょっとついていけなくなってしまった)、最近の作品は読みはするけどそこまで深くはまることもなく、読み返したりもせず(「鼠三部作」とか『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』とか、何回も読み返してるのに)、内容も正直あんまり覚えてないし、あまり熱心な読者ではなくなってしまっていたのだけど、彼のストーリーテラーとしての才能と、それを制御するストイックさ、常にハードルや制約を設けて作品を成長させていく挑戦者としての姿勢をこの本で知ることができて、彼の作品の変化をもう一度辿ってみたいと思った。つまり、もう一度彼の作品を「楽しみたい」と思った。作品によっては興味が持てるもの持てないもの、共感できるものできないものといろいろ出てくるだろうけど、それでももっと彼の作品を知りたいという、好奇心が湧いた。この「好奇心」が刺激された、っていうのがすごく重要。物語のページを繰る喜びを、思い出させてくれた、というか、認識させてくれた、という感じ。