表現・さわやか『そこそこ黒の男』
表現・さわやか第3回公演『そこそこ黒の男』
2006.11.22(水)〜30(木)
下北沢駅前劇場
作・演出:池田鉄洋
出演:佐藤真弓/いけだしん/村上航/岩本靖輝/菅原永二/池田鉄洋/伊藤明賢
http://www.nekohote.com/next_folder/next03.html
公演2日目の本日、観てまいりました。笑い殺されるかと思ったよいやマジで。
前回公演『おんなのこのキモチ』は、わたくし的「2005年内容のない舞台ナンバーワン」で、ひたすら笑って後に何も残らないという潔い下らなさが大好きでしたが、今回は下らなくて笑って笑って、でも所々に「きゅうん」となる要素の散りばめられた、ほんとに面白い舞台だった。強烈なキャラクターのメンバーそれぞれの個性が最大限に活かされていて、観ながら、この「表現・さわやか」というユニットはほんとに実力と個性と華やかさを持った役者の集まった、奇跡のユニットなんじゃないかと思ってしまった。
ネタは一本一本短くてそれぞれてんでバラバラに見えるんだけど、ちょっとずつ繋がっていて最後の一本ですべてがぴっちりと繋がる、その構成の妙も素晴らしかった。作家としての池田鉄洋の実力を見た思い。
もうなんかツッコミたいことが山のようにあるので思いついたことをひたすら書く。
- ネタ一本目から! 菅原・村上・岩本が女装!! しかもストリッパー、菅原さんに至ってはビスチェに網タイツでもうどうしてくれようかと思った。
- そのストリップ劇場のオーナーがイケテツ…これも女装。なんだようもう!! あまりにツボを押さえたキャスティングで憎たらしいったらもう。
- イケテツの女装ネタはもう一本。ミニスカートから伸びる足があまりに綺麗で見とれる。どうでもいいけど最前列真ん中に座ってた人、スカートの中身丸見えだったんじゃなかろうか。役名の「ナナ」に爆笑。
- ボーイスカウトネタ。エリートシニアスカウト・富士スカウトの3人のダンスに笑いすぎて窒息するかと思った。特に村上航のダンス。上手いとかそういうレベルじゃなくてとにかく凄い。なんだあの動き。オーバーアクションはこの人に任せろ、みたいな。ダンスがしつこいんだけどくどくならないのはそんだけ面白いから。
- 反面、踊れてないいけしんとそれを捕獲する菅原・岩本のやりとりが可笑しくて仕方ない。
- 佐藤真弓が信じられないくらい可愛い。特に村上さんとの河童…見た目・しゃべり方・動き、すべてが愛らしくて仕方ない。
- 伊藤明賢。姿がよくてダンスが上手くてタップも踊れて歌が異常に上手くて、バカ演技もしっとりした演技もできるなんて、あまりに何でも出来すぎだ。なんだよう格好いいなコンチクショウ。
- 「ヤマザキ春のパン祭り」。馬鹿だろうおまえら。げらげらげら!!
- 吉野家ネタ。意味わかんねーよ面白いじゃないか死ぬほど笑っちゃったじゃないか。
- 今回も登場しました、ロング・ビッグこと長井大。あの全体的に救いがない感じにヤバいキャラはいけしんだから出来るんだね、素晴らしいね。あの応酬はほとんどアドリブだろか。
- 最後のネタがちょっと胸に迫る切なさでほんとに良かった。人殺しをしてしまったスタンダップコメディアンとその相棒、通りでネタをやり、誰か笑ってくれたら逃げ切れる、そんな賭けをする。笑ってくれたのは通りすがりの幽霊だけ、でも幽霊だから2人にはそれがわからない。2人はネタをやり続け、幽霊はやさしくにこにこしながら2人を見守り続ける。幽霊のいけしんの表情と、だんだん大きくなる音楽に2人のネタがフェードアウトしていく演出にきゅうんとなった。
- そういや今回下ネタなかったなあ。っていうか前回もそんなになかった気がする。耳元ランデブーじゃあんななんで、何となく表現・さわやか=下ネタ、っていうイメージでいたんだけどそうでもないんだなー。
ああなんかもっとあった気がする。あと2回観るから後日また何か書くかも。