サモ・アリナンズ『昔の侍』

サモ・アリナンズプロデュースNo.24『昔の侍』
2006.11.29(水)〜12.3(日)
下北沢本多劇場
構成/チャンピオンとプレジデント
脚本/千葉雅子  
演出/オクイプレジデント
出演:小松和重/高木尚三/家納ジュンコ/佐藤貴史/大政知己/中澤 功/島村朋子/平田敦子/オクイシュージ/久ヶ沢徹
http://www.samoari.com/24/24.html

11/30日、脚本の千葉雅子を迎えてのアフタートークつきの回と、12/3の楽日の2回を観てまいりました。










サモアリでした。倉森さんがいらした頃のサモアリを知らないので、今回の舞台がサモアリらしいのからしくないのか、そういったことはいっさいわかりません。なので単純に、初めて観た劇団の印象といった感じで。
噂に聞いてましたがほんっとぐだぐだですねえ(笑) いやあ面白かった。げらげら笑ってしまいました。面白くて大好きだけど、「こんなの演劇じゃない」なんて言う人がいる、っていうのもすごく納得。「何だこれ」って思う人は思うだろうな。そんくらいぐだぐだ。100人キャパの劇場でやるよな内容をそのまま本多にかけるというある種の無謀さを面白がれるかどうかでこの舞台の感想が違ってくるんじゃないかと。
とにかくセリフ間違えようが噛もうがギャグが滑ろうが、何でも笑いに持ってくぜ!という姿勢が潔い。基本的に私は完成度の高さを感じさせてくれる舞台が好きなので、ぐだぐだだろうがそのぐだぐだが徹底してればそれはそれで面白いじゃない、という感じ。やはり小松さん平田さん久ヶ沢さん、そしてオクイさんあたりが巧さと存在感で何でも投げるし何でも拾うし、という応酬の連続なんで面白いんだと思う。正直巧くないなあと思うキャストが絡むと途端に面白さが半減してしまう。
今回、脚本は千葉雅子でしたがどうやら彼女はプロットと断片的なシーンを作り、あとはそれをオクイシュージが自由にいじってギャグやコネタを盛り込み、「サモアリらしい作品」に近づけた、という作り方がされた模様。そのせいかそれとも「千葉脚本っぽさ」というべきものか、物語そのものはのっぺりと変化が少なく盛り上がりに欠ける印象。正直ホンはあまり好きじゃありませんでしたこの『昔の侍』。でもまあそれはそれで、とユルく思ってしまう。まああんま目くじら立ててもさあ、って思ってしまうのだよねー。
トークショーで、小松さんが「オクイくんにはサモアリっぽさを意識しないで、と言ってあったが、実際出来てみるとかなりサモアリっぽい作品になっていた」と。倉森さんのいないサモアリはもう前の通りのサモアリではないのかもしれないけど、また新しいスタイルを身につけて、新しいサモアリを作っていく、そしてその中で「サモアリテイスト」を守りたいと思ったならそのテイストを守り続け、観客を馬鹿な笑いで満たして欲しいな、などと、以前のサモアリを知りもしない私ですが、何となく感慨深く思った千秋楽でした。楽しかったです。