怪物の目覚める夜ゴールデン『人魚まる裸みだれ髪』

若手演出家コンクール2006・怪物の目覚める夜ゴールデン『人魚まる裸みだれ髪』
2007.3.4
下北沢「劇」小劇場
作・演出:江尻浩二郎
出演:今里真/松下哲/富田和明/窪田美香/川久保宏之/TAMAYO/小林章一/橋本美和/あさ乃/酌恋太郎/江尻浩二郎/久我千代/佐々木富貴子(東京ネジ)/中村真季子/石山愛/松丸貴之/小林篤(天才ホテル)他
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コンクール6日目。









  • 「現代演劇ではなく、現代村芝居」というコピー通りの、エンタテイメント時代劇といった趣。けっこう好きでした。ゲラゲラ笑うほどツボに入ることはなかったけど、終始ニコニコしながら観てた。だから余計に、やりたいことに対して技術が全体的に未熟な感じが惜しいと思った。酷いわけではぜんぜんなかったんだけど、ショー的要素の強いエンタテイメントは、文句のつけどころがないくらいに完璧にやってこそのエンタテイメントだと思ってるので。
  • 和太鼓やガヤガヤとした賑やかしの多い中で、セリフや口上がかき消されてほとんど聞こえないことが多かった。こういう芝居の場合、セリフは別に聞こえなくてもいいかと思うんだけど、口上が聞こえないのはさすがにいかがかと。おまけに「波頭」の2人が声を合わせて口上を述べるところ、まったく息が合ってなくて、最初のうちはまあまあと微笑ましく見てたんだけど最後さすがにイラっとなった。大事な見せ場でもあるんだからしっかりやって欲しかったところ。
  • 衣装がしっかりしててなかなか綺麗。簡易着物ではなくちゃんと着付けてたみたいだし、帯も粋に結んでて素敵でした。こういうとこに手を抜かないのは好きです。
  • ストーリーはごく単純で特に裏もヒネリもないし目新しいところもないけれど、最後しんみりさせる人情もの、分かりやすさがストレートに観客に訴えかけることもある。「村芝居」というコンセプトならそれでいい。
  • 正直なところ約70分の上演中、途中飽きてしまった部分もありましたが、全体的に賑やかで華やかで、面白く観られたから満足。