ヨーロッパ企画『苦悩のピラミッダー』『冬のユリゲラー』

ヨーロッパ企画第22回公演 〜バック・トゥ・2000シリーズ〜『苦悩のピラミッダー』
2007年5月3日(木)〜14日(月)
下北沢駅前劇場
作・演出:上田誠
出演:石田剛太/酒井善史/角田貴志/永野宗典/西村直子/松田暢子/中西武教(ジュース)

ヨーロッパ企画第23回公演 〜バック・トゥ・2000シリーズ〜『冬のユリゲラー
2007年5月5日(土)〜15日(火)
ザ・スズナリ
作・演出:上田誠
出演:諏訪雅/土佐和成/中川晴樹/本多力/山脇唯/人羅真樹(イクイプメン)/首藤慎二(ベビー・ビー)/岡嶋秀昭
http://www.europe-kikaku.com/

12日に昼夜で観てまいりました。
ヒトコトで言うなら「ほんっと楽しかった!!」。ぽんぽんと進む会話や適度なドタバタ加減、危機的状況にも関わらずどこか呑気なストーリー展開。メリハリあるし相変わらず見せ方うまいなあと思う。私はヨロ企のことは数本舞台作品を観ただけであまり詳しくないのですが、気心の知れた仲間たちとわいわい芝居を作っているイメージの劇団で、「ユニット」や「プロデュース公演」とは違う、「劇団」という閉じた集団の特殊性が面白い効果を生んでるんじゃないかと思ったりしました、今回この2作品を観て。なんというか、見てるだけでニコニコしちゃうような「なかよし」な雰囲気が、馴れ合いではなくひとつの面白さとして伝わってくるような。こういう「閉じた集団の面白さ」みたいなものを持ってる劇団といえば、他には猫ホテくらいしか思い浮かばないかなあ。

今回は『ピラミッダー』昼公演→『ユリゲラー』夜公演、という流れで2ステしたんですが、同じ下北で同じ劇団が違う作品を上演するという特殊性と、両方の作品を観る人が多いであろうことを見越した仕掛けが面白かった。
上演時間の違いを活かして『ピラミッダー』の出演者が『ユリゲラー』のラストシーンで日替わりゲスト出演、ていうのをやっており、これがすごく面白いアイディアだなあと思ったんですが、その日一緒に観ていた観劇経験のあまりない知人はその仕掛けについて「何の意味があるの?」とえらい不思議がっておりました。「意味のないことを全力でやっちゃう」馬鹿馬鹿しさとお客様へのサービス精神、これはすごくいいなあと思ったんですけどねえ。
あと、『ユリゲラー』開演前の予告CMで『ピラミッダー』に名前だけ登場するユルキャラマスコット「ピラミーくん」のイラストが映ってましたね。あはは!
いつも美術セットがちゃんとしているなあとかOP映像の工夫が面白いなあとか、細かいツボセリフがいちいち絶妙のタイミングで繰り出されるなあと感心したりだとか、2時間超の上演時間は短いものではなかったけれど、両作品ともあっというまに過ぎ去った感じ。堪能しました。