インタラクティブ調布特別企画「明和電機通信大学」

■なんつうものに、昨日の日曜日は出かけておりまして。


これが!
めっちゃ!!
オモシロカッタ!!!


「アドレナリン噴出」を「エンゲル係数上昇」と言い間違えそうになったくらい面白かったです。(関係ない)

学生の時以来の情熱*1でもって「学びたい」意欲が燃え上がった一日となりました。

■この催しの詳細はこんな感じ。

インタラクティブ調布特別企画「明和電機通信大学」

スケジュール

  • 13:00-13:50
  • 14:00-14:50
    • 明和電機通信大学 開学記念パネルディスカッション 東5号館3F341教室/パネリスト:土佐,稲見,梶本,小池,児玉,長谷川,福地
  • 15:00-17:00
    • オープンラボ
  • 17:30-
    • 懇親会

招待講演

パネル

  • 14:00-14:50
    • 明和電機通信大学 開学記念パネルディスカッション

http://springhead.info/ic/

おともだちに教えていただき、参加することができました。ありがたや。

■で、「明和電機通信大学」っていうのは何さ? という話なんですが、電気通信大学オープンキャンパスの企画の一環で、この日かぎりのバーチャルな大学「明和電機通信大学」の開学記念、というコンセプトでの講義でありディスカッションでありました。講義室入るまで、例えば半年とかの期間限定で実際にワークショップ的な何かをやる講座の開設なのか? とか、若干騙されてました。大人が全力で嘘を言うとわりと簡単に騙されます。(騙されやすいのか私?)

■それはさておき、まずは社長の「特別講演」。おお、あれがメタルフレームのマジ眼鏡…というのはおいといて、会社説明会や事業報告ショーと同じような構成の内容だったので、ほぼどこかで聞いたことのある話でしたが(明和電機初見の人も多いであろうからまあ当然)、この人の話はいつなんどき聴いても惹き付けられるのね。聴いているだけでわくわくする。
所定の時間を大幅にオーバー。最後は駆け足になりつつもしっかり映画の宣伝はする(笑)

■続けてパネルディスカッション。社長プラス、6人の研究者(情報・機械工学などの分野の、同大学の教授、准教授、助教)が「明和電機通信大学」の教育理念などを話し合う、というコンセプト。みんながみんな、真面目に「この大学ではどのような理念に基づき教育をしていくのか」「どのような人材を育てたいか」を発表していく、という、手の込んだ真剣な「お遊び」でした。バーチャル世界の話なので、責任も負わず自分の言いたいことを言える、という点で、かなり各氏のホンネが出てたように思って非常に興味深かった。しかし各氏共通しているかな、と思ったのが「バックグラウンドをしっかり持った人を育てる教育」。ぱっとアイディアが浮かんでも、それは形にできなければ結局は自己満足で終わってしまう。形にし、使い、人にそれを見せて共感を得ないとモノヅクリは達成されない。アイディアを形にできるだけの基礎知識基礎能力(バックグラウンド)を身につけてもらいたい、つけさせたい、そんな話。それを社長が、しばしば口にする「ロマンス・エンジニアリング」という言葉でまとめていた。空を飛びたい、それはロマンス。しかしそのロマンスだけで崖から飛び降りたら死んでしまう。そこでどうしたら飛べるのかを考え、道具を作る。これはエンジニアリング。ロマンスがなければエンジニアリングは生まれず、エンジニアリングがなければロマンスは消えてしまう。不可分のもの。
各氏の自己紹介を兼ねた自分の研究発表がまたすんごい面白くて、夢中になってメモを取った。分かりやすくかいつまんでくれていたとはいえ専門分野の話だし、100%まじりっけなしの文系の私*2はまったく門外漢でしたが、それでもものすごく魅力的な研究の数々。工学ってすごいね、楽しいね!!(エンゲル係数上昇)*3
というわけでまったく門外漢の私が今回へええと思ったのが、「工学」と称されるものは物質世界の学問だと思ってたんですが、実は観念的な学問だったんだな、ということ。世界と自分を繋ぐものは何か、自分と情報世界の界面をどうするか、そんな話がたくさんあって、文系の私にもつるっとその工学世界の一端に触れることができた感じ。
そんな話の中で、自分がいる物質世界と、その向こう側にあるバーチャル世界の界面の話がよく出てましたが、今ここで行われているのがまさに「明和電機通信大学」という架空の大学のシミュレーションなわけで、それはまさに現実世界と対面にあるバーチャル世界のもの。我々のような「受講生」は、「明和電機通信大学」のバーチャル世界と現実世界のまさに「インターフェース」の領域に存在してたということか…と思ったら、なんとなくイメージの掴みづらかったインターフェースという言葉が、非常にすっきりした形で見えてきました。
とにもかくにも濃い時間を過ごしました。欲をいえばあと1時間、パネルディスカッションが聴きたかったよ…

■その後は迷ったりしながら広い校内をオープンラボを見学して過ごしました。充実した一日。学ぶことって楽しいなあ。もしここを読んでる現在進行形で学生の方がいらっしゃったら、意欲を持って勉学することをオススメするよ。それは今すぐには役に立たずとも、何かの拍子にひょっこり出てきてあなたを大きくする糧となります。いやマジで。
「就職活動に役立つ学習」なんか捨ててしまえ!! 学問に役に立つ・立たないの差異はない。生活に役立つ学問だったら、それよりも生きるのに役立つ学問を学べ。
学生時代、「校内一偏差値高くて校内一就職率が悪い学科」と揶揄された学科に所属していた私が、就職活動しながら呪文のように唱えていた言葉をふと思い出しました、今。就職活動では冷遇された学科でしたが、今社会人をやってて、学生時代に培った「役に立たない学問」を支えていた方法論がものすごく生きてる現実がある。


勉強しよう。うん。素直にそう思えましたよこの一日で。

■社長はこの日、何度か「人間臭さ」という言葉を使った。もがく姿はみっともない、けど、それがやがては「表現」となっていく。そのもがきあがきみっともなさ、そういう「人間臭さ」の重要性。
この人は今までもがき続けて、これからももがき続けるんだろうな。この人が走り続けていられるのは、走り続けることが表現の糧になるからなんだろう。ちょっと切なくなった。

*1:自慢じゃありませんが(自慢するほどのことではまったくありませんが)学生時代は熱心に勉学するタイプの学生でした

*2:単位制というちょっと特殊な高校だったため、高2で理数を放棄

*3:まちがい