『狐狸狐狸ばなし』

トム・プロジェクト『狐狸狐狸ばなし』
2007.9.1(土)〜9.9(日)
下北沢本多劇場
作:北條秀司
演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:篠井英介/ラサール石井/板尾創路/六角精児/真山章志/大出勉/廣川三憲/野間口徹/小林俊祐/皆戸麻衣/植木夏十/サチコ/小林由梨

http://www.tomproject.com/works/kitsune.html

1日の初日、観てまいりました。










ひっどい話だなー!(最大級の褒め言葉)
やー、面白かったです。で、「わっ、そういうオチなのか!」というね。これはどんでん返しにびっくり、という意味ではなくて、「狂気を装った女がそれをタテに情夫と関係を持ち続ける」っていう、ひどいといえばあまりに酷い話の着地点そのものに「えっこれでいいのかよ!?」で、びっくりです。以前、ケラがブログでこの作品のことを「溶暗した瞬間、観客が気持ち良く拍手できる作品」*1などと書いていたので、わりとほわんとした、すべてが解決してみんな幸せで大団円、なストーリーを思い描いていたので、なんつうか、いい方向に裏切られました。いや、充分楽しい作品だから気持ちよく拍手できるんですけど。実際、拍手鳴り止まなくてカーテンコール2回ありました。
この内容で2時間はちょっと長いような気もしたし、若干冗長に感じたシーンもありましたが、でもほら、そこはケラですから。(って、この一言で済ませるのもどうかと思うけど)

カーテンコールでラサール石井が「本多はやりやすい」。「地方によっては、ケラさんの不条理ギャグでお客さんポッカーン、ていうのも…」。それを受けて板尾創路が「奈良はもう思い出したくない」なんて言ってもおりました。
以下、箇条書きにて。

  • 映像のセンスがすごく好きだった。これもケラの監修なんだろうな。かっこいい!
  • 篠井英介、さすがの貫禄&美しさ。可愛いし! 髪の乱れを気にして手をやる仕草とか、一つ一つが自然でイヤミなく美しい。
  • ラサール石井、テレビですらあんまし見たことありませんでしたがやっぱり凄いのねこの人。人を笑わせる仕草が身に付いてる感じだった。
  • 六角さん、いちいち面白いんだけど、「桃太郎侍を『桃太郎待ち』と…」と「いいかげん起きたらどうですか」のセリフは、あまりにツボすぎて笑い死にすんじゃないかと思いました。この人でこのセリフの面白さ!
  • 野間口さんがあまりに美味しい役ばかりでかあさん感涙…!
  • 特に「肺ガンちゃん」最高。現代パートの主役ですもんね。七三・古くさいデザインの眼鏡・浴衣! しょっぱなの登場シーンで隣の更紗さんと思わず手を取り合いました。
  • 結局、最終的にいちばん報われないのって「肺ガンちゃん」だよね…最後泣き崩れて終わるものね。あはは。
  • 野間口さんて「ちょっと影のあるコントのヒト」な役柄がもんのすごくハマりますね。

というわけでようするに「野間口さんが素敵でした」の一言で締めくくらせていただきたいと思います。はい。楽しかった!