重力ピエロ

ウルトラミラクルラブストーリー』を観に行ったら満席で入れず。
でもまあ想定範囲内のことだったんで第二候補の『ハゲタカ』に…と思ったら、銀座・有楽町界隈じゃ上映してなかったのね…想定範囲外…!(第二候補まで決めておく周到さがありながらその第二候補の上映館を調べておかないツメの甘さ)
というわけで『重力ピエロ』観てきました。どのみち近いうちに観に行こうと思ってたから丁度良かった。こっちもほぼ満席。
ちょっと泣きました。










やっぱり原作そのままとは行かないから筋もシーンも大小いろいろ変わってた箇所があったんだけど、私は原作よりも映画の方にぎゅんときた。(そもそも伊坂作品は何冊か読んでるけどストーリーはともかく文章が苦手なんであまりハマる作家じゃないんだけど) 細かいエピソードがそぎ落とされている分シンプルにストーリーを追えたし、家族の関係性もみんなの思いも際立っていたように思う。「夏子さん」の関わり方もあれくらいが丁度良かったんじゃないかな。
キャストみんな良かったんだけど、加瀬亮…! この人って、観ながら「巧いなー」と改めて思うことって特にないんだけど、演技とか越えたとこからめちゃくちゃ心乱される感じというか。人を感化する電波でも発してんじゃないかこの人。大人しそうな外見しててその実危険を冒すことも辞さない行動力を持ち、殺人をも犯そうとする意思の強さ、そういうのが哀しみを伴って絶妙に観る者に響いてくる。泉水に加瀬亮はほんとこれ以上ないキャスティングだったんじゃなかろうか。(私はどんな場合でも兄贔屓だなそういや)
「原作を尊重しつつも原作とはまた違う世界を構築する」という、映画化したときになかなか超えられない壁をきれいに超えられた、素敵な作品だったと思います。