最近読んだ本・読んでる本

にごりえ・たけくらべ (新潮文庫)

にごりえ・たけくらべ (新潮文庫)

陰翳礼讃 (中公文庫)

陰翳礼讃 (中公文庫)

一葉は初めて読みました。もっと早くに読んでおくべきだった。一語一語が美しくてそれだけでもうわくわくする。ただ、一気に読んだので物語とタイトル(と、登場人物の名前)がごっちゃに…一致して覚えてない…(これで読んだと言えるのか…)
『陰翳礼賛』もすごい面白かった! こっちは随筆なのでかるーい感じでさくさく読む。作家ご本人も文中で書いてるけどつまりは「老人の繰言」で、でもそこはさすが、繰言にも風情。昔は良かったと懐かしむだけじゃない、今の日本はと嘆くだけじゃない、しっかりと過去と未来を見据えて現在を語る、その姿勢の筋の通し具合がなんともカッコイイ。
一時古い日本のものにものすごく惹かれた時期があり(今も好きですが)古民家の研究書(?)とか読んだりしてました。そのときはただただ憧ればかりが先行して「古いものは絶対! 日本の伝統美ばんざい!」と思ってたもんですが、現実問題、例えば古民家に住むとなると様々な問題にぶちあたる。その問題をひっくるめて、その家の隅々までを愛する覚悟がなければ軽々しく「いいですよね古い家!」とか言ってはならんなあ、とは最近思うこと。
ところでこの『陰翳礼賛』、エコを考える人の必読書にしたら良いんじゃなかろうか。ヒントがたくさんあると思う。

今読んでるのはこれ。

ミケランジェロ (講談社学術文庫)

ミケランジェロ (講談社学術文庫)

だいぶまえに「近いうちにコレ読みたい」と書いたっきり他の本に浮気して、ようやく読み始めました。ていうか前に読んだことあった。家の本棚に入ってた。あぶないもう一冊買うとこだったぜ…すっかり忘れてた…(トリアタマ)
というわけで再読です。やっぱり面白いよ田中さんの書く評論。評論なのになんでこんなにスリリングなんだろう。