読了

先日、テレビで映画の撮影風景がちょろっと映ったのを目にしたら、どうしても読みたくなって数年振りに手に取りました。

ノルウェイの森 (上) (講談社文庫)

ノルウェイの森 (上) (講談社文庫)

ノルウェイの森 (下) (講談社文庫)

ノルウェイの森 (下) (講談社文庫)

村上春樹はほとんどの作品を複数回読んでいるのでこれも3、4回は読んでいる。しかし今回久しぶりに読んだらものすごく新鮮な面白さに溢れていてびっくりした。もちろんストーリーはわかっているしいろいろ覚えている印象的なシーンやセリフも多いんだけど、まるで初めて読む本のように感じられた。おそらく、前に読んだときの私は主人公の「僕」に年齢が近く、今は逆に語り手である「僕」の方に年齢が近くなっているからだと思う。より共感したというよりも、ああこういう部分に共感したのだな、という、ちょっと引いた視点で。やはり何かを語ろうとするときはそれから少し距離を置かないと全体を見渡すことはできないのだ、ということなんだろうなあ。私も不完全ながらに確実に大人になってるってことですかね。