『南極料理人』

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うおー面白かった!! 今年はわりとたくさん映画観てますがけっこう打率いいなあ。うれしい。
この映画観た人がひとり残らず(と言っていいだろう)堺雅人にホネヌキにされてましたけど、うん、こりゃホネ抜かれるね。彼の魅力が大全開。でも、彼だけじゃなくキャスト全員素晴らしかった。あー面白かった。(二度言う)










「南極」というシチュエーションの異常さを除けばいたって平凡な日常生活(しかもどちらかといえば退屈そうな日常)が、日記を綴るように丁寧に描かれていて、爆笑はないけどクスっだったりハハッだったり、朗らかに笑える佳作でした。いいトシした男ばかり8人が南極のさらに果て(ペンギンやアザラシはおろか、ウイルスさえいない)で、時々衝突したりもするけれど基本ゆるゆると仲良く暮らしている、っていう、なんていうか、究極の平凡さがふんわりあったかい。それぞれのキャラクターの描き方も過不足ないし、いろんなものが「丁度良い」という心地よさ。
そんで堺雅人ですよ。(←やっぱり) ダメパパぶりもキリっとした料理人としての顔も、次第に隊員の「おかあさん」的立場になっていく物腰柔らかく時に厳しい佇まいも、すべてが感心するほどハマってて見事。今まで好きな俳優ではあるけど特にファンてほどじゃないし、というスタンスの私でしたが南極生活後半に行くにしたがって伸びた髪がもっさりとした姿はさすがに美しくて溜息モノでした。から揚げを食べながら日本にいる家族を思い、「胃にもたれるぅぅ…」と泣くシーンにはキュン度マックス。
この映画を初めて知ったとき、えーまさか南極ロケ!?? と思ったんだけど、実際のロケ地は北海道らしいですね。「ああそうだよね、南極なんか行ったらきたろうさん死んじゃうよ」とかちょう失礼なことを思ったりもしましたが、広々とした雪原は美しく、そこで野球したり燃えた肉の塊りを振りかざしておいかけっこしたりしている男たちはたまらなく愛おしい、そんなシアワセな映画でした。