アリス・イン・ワンダーランド

しばらく前のハナシですが、3D・吹替で観てきた。
■3Dって、人によって見え方に差があるんですってね。私は多分、あまり立体感を感じられない方。「ちょっと奥行きがある」くらいの感じ方しかできなかった。
そのせいもあって、映像そのものにはあまり感動することもなく。

■で、肝心のストーリーの方も、正直そんなに入り込めず…

■原作はほんとにストーリーらしいストーリーのない不条理物語なんで、今回の映画ももっともっと滅茶苦茶なものを想像してたら、意外ときちんと筋道の立ったストーリーが展開して肩透かしをくったというか。マッドハッターの哀しい過去とか赤の女王の孤独とか、おそらく今回描きたかった物語のひとつの大きな柱になってるんだろうけど、「そういうのは別にいいよ…」って思ってしまった。少なくとも私は。

■でも一番大きかったのは、「アリスに成長なんてして欲しくなかった」という原作ファンの心理かも。

■と、「うーん、いまいち」なんですけど、キャラクターがほんとに愛らしくて愛おしくて、そのポイントが高いので全体としては「楽しかった!」ていう感想です。白ウサギとかヤマネとかチェシャネコとかトゥイードルダム・トゥイードルディーとか…あと、白の女王のふわふわした仕草がいちいちかわいい!

■白の女王と赤の女王。美しく純真でみんなに愛される妹と、醜くて誰にも愛されない姉。たぶん、白の女王は純真であるがゆえにものすごく残酷。その純真さが相手を傷つける可能性が考えられない。だから赤の女王があんなに追い詰められる。切ない。

■アリスが無表情だよね、と、観た直後におともだちと話してたんですが、後から思ったんだけどこれってテニエルによるあの挿絵のアリスを意識してたのかしら。7歳児とは思えないくらい大人びた無表情の、テニエルによるアリス。そう思うとたしかに似てる。気はする。

■イモムシがさなぎになって羽化して蝶になる、という展開は、考えてみたらあたりまえなんだけど、原作を知る身にはあまりにも意外すぎて「そりゃねえだろ!!」ってちょっと思った。

■あとはやっぱり、「ジョニー・デップ最高!」てとこでしょうか。アタマおかしいんだけど、瞳が哀しい。そして美しい。