スコットランド・ヤード

スコットランド・ヤード―ロンドン悪の系譜

スコットランド・ヤード―ロンドン悪の系譜

古本屋で偶然見つけて思わず買っちゃった一冊。分かりやすくて面白かったです。それにしてもスコットランド・ヤード誕生に至るまでの紆余曲折がすごすぎて(なにしろ本文中で「ここにスコットランド・ヤードはようやく誕生したのである」という一文が出てくるまでに半分以上ページを費やしている)、ヤード誕生のクダリは「たくさんの人の努力と苦労と悲劇が報われたね、よかったね!」って思わず涙ぐむ思いでした。
ヤード誕生は1829年。ホームズがワトソンと知り合ってベイカー街に移ったのが1881年だから、この時点でヤードは誕生から半世紀くらいしか経っていない、まだまだ年わかい組織だったってことだ。本書で触れられている当時のヤードの様子や市民への浸透度から見ても、当時のホームズ*1がヤードを軽蔑するような態度を取るのも無理からぬことだったのかなーとか思ったり。

*1:後年だいぶ態度が和らいでることを考えると、ヤードの組織としての成長が背景にあるのかも